武庫川河川敷にて(前)

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薄暮

おはようございます

 

私事でなんですが、昨年義父が亡くなりまして。

 

妻は結構遅くなってからの子供でしてね。

お義父さんもう結構なお年――といっても、古希をいくつか過ぎたくらいだったんですが。

 

 お義母さんはチャキチャキッとした人なんですがね、お義父さんというと反対に物静かな大人しい人だった。

子ども連れて行っても、ニコニコしながら座っていましてね。

じーじ、とか言いながら子供が寄っていくと、おうおうって嬉しそうに頭撫でてくれていた。

 

僕なんかあまり喋る方じゃないんでね、ついぞ2人で腹を割って話をすることなんてなかったんですが。

入院中もお見舞いにいくと、よく来たねぇって言ってくれました。

僕が何かちょっとした入院中に使えるグッズなんかを置いていったら、看護師さんに「これ息子がくれたんだよ」っていってたりなんかして。

 

なんか嬉しかったですねぇ。

 

僕は父を早くに亡くしましたので、まぁ――新しい父親ができたような――というのはちょっと感傷的すぎますね。

そのお義父さんも亡くなりましたので、結局そんな長い付き合いにはならなかった。

 

病気でね。

それが去年の暮れの話しです。

 

で、宗派は真言宗でしたので、高野山奥の院に分骨しに行きましてね。

お義母さん連れて子供たちとみんなで。

――本山納骨っていうらしいのですが。

喉仏だけ持ってって納めてもらうんですが、子どもたちも一緒に、まぁ観光みたいなものでしたね。

 

お墓は一族の墓所みたいなのが、こう――ご実家の近くの畑の一角に、急にポツンとあるのです。

まだちょっと新しいお墓を建ててあげる余裕が無いので、一応お線香とお供えだけして、手合わせてきた。

まあそういうのにはあまり拘らない人だったようですので、ちょっと待っててねーなんて言ってきましたよ。

 

でも何にもないのも寂しいね、って帰りの車の中で話してた。

 

 

話変わりますが、武庫川の西岸を阪神武庫川駅からずーっと自転車でさかのぼっていくんです。

2号線から阪急電車を過ぎて、新幹線もくぐってずんずん行くと、やがて仁川と合流すると。

そのあたりちょっと川遊びができたり、河川敷の方に楽に入れたりするんです。

そういう風に整備されていましてね。

 

――涼しい時は、子供たちの散歩とお昼寝にちょうど良いんで、たまに自転車にのせて行ったりしてました。

河原で遊んで、帰りに自転車で寝てもらうと。

 

で、そういやあそこいい感じの石がごろごろしてたなぁ…と妻が言い出したんです。

 

綺麗な縞々模様の石とか、小さな赤い石とかね。

たまに拾ってきてた。

 

すぐにお墓は建ててあげられないけど、子どもたちに気に入った石を選んでもらって。

とりあえず墓標の代わりに置いておいたらおじいちゃん喜ぶんじゃないって。

お義母さんも、「良いんじゃない」なんて言ってる。

で、そういうことになって。

 

 

――長くなりましたので、以下続きます。